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不自由なまま、おもしろがっていく

年度末です。まだ2月という見方もありますが、私の中では3学期に入ったらもう年度末なのです。

 

同時に来年度の4月も見通す時期にもなっていて、頭は大体年度末の色々と、新年度に向けての色々とでごちゃごちゃしております。

 

このごちゃごちゃというのは、やるべきことに追われてという側面もありつつの、どちらかというと色んなことに心寄せる作業なので、頭の中がやることリストみたいに一つ一つ整理できればなんとかなるというそう単純なものでもなかったりします。

 

今のことが1年後、2年後にもつながっていて、さらに数年後まで見通しながらの心寄せと課題の洗い出しだったりするので。

意識が行ったり来たり、を繰り返します。

と言ってもなかなか想像つかないでしょうが…

 

気ぜわしいのと半ば鬱々とした気持ちもあるのだけれど、冬は陰に傾くのか、もともと常にアウトドアでもない私は、最近図書館でまとめて本を借りて読んでいます。

 

気ぜわしいのに?と思うかもしれませんが、多分、2歳3歳の子を育ててるお母さんに比べたら自分の時間が作りやすくなっているからだと思います。

いや、あの時は本なんて読んでる暇、ないですからね。

読んでても、どこまで読んだか記憶にない。また一からみたいなことはざらなんで。

真っ只中の皆さん、大丈夫、読める時がきますから。

 

本て皆さんどうやって選んで、どうやって読んでるのでしょう、、

きっと色んな読み方があるでしょうね。

 

本に限らずですが、私は自分の感覚で拾う拾わないがものすごくはっきりしてるので、なんだこれ全然ぴんと来ないぞ、みたいなものはある程度読んだら飛ばし読みでパッと次にいきます。

 

これはおもしろいぞという本は結構さとのたねのお母さんたちに勧めたりもしていますが、どの本も100%共感、というものは、実は、ないんです。どんな好きな人の本でも。

めちゃ勧めてますけどね(笑)9割がた共感できるものを勧めているといったとこでしょうか。

 

99%共感する部分があっても、1%はあ~ここは私こう思うんだよな、と思うことが常なんです。多分それは、当たり前だけど私だけの感覚だから。

でも、それでいいなって思ってます。

 

本を読んで胸を打つような躍動と共感することがあって、でも、自分の中のこう思うを知れてそれこそが醍醐味だなって思うんです。

本の言葉も、人も関わる中で見えてくる自分の姿があります。

 

今は、心理学、学校、発達、脳科学、教育、保育の分野を複数借りて読んでますが、大事なことって実は案外どの分野でも似通っていたりします。

 

胸を打つようなものは、実体験が伴っていて、普遍的なことなのか、分野分けされていても、大きな違いがない気がします。

 

得てして発達の本ほど不確定なものはないなとも思います。何十冊と読んでみてやっぱりというか、、

時と場合によってはどの子にも必要な支援なのでは、と思う基礎的な関わり方が至極丁寧に列挙されているような本は、子供の何を見てこの本が生まれたのだろうと思うことが多々あります。

どちらかに光を当てるかのような捉え方は、違いを受け止め合うことには至りません。

 

双方向で相互であること。

 

そこをすっぽかして子供の育ちは語れないだろうと思うのが現場の意見です。

みんなにわかりやすく丁寧であることをよしとする正しさみたいなもの、あちこちに溢れています。

最近の天気予報のように。今や服装まで指定してきますからね。

ついこの前も、「東京で雪が降る」というだけで、大ニュースなわけでしょ。

ご丁寧にテレビ上部のテロップには「雪の日の注意点」とあって、

「手袋と帽子を着用。転ぶときはお尻から。」という文字が流れていて、愕然としました。

 

人は感じることを失ったら、考えることを失います。

 

あれをありがたい情報だなとか思う人が増えたり、なんだお尻から転ぶなんて情報知らされてないから怪我したじゃないか!と責める人が出てくるのでしょうか。

そういう大人が作る世の中ってどんな世界なのでしょうね。ちょっと末恐ろしい気がします。

いや待てよ、お年寄りには必要な情報なのかなとかいろいろ考えたりしました。

 

でも、子供たちや若い人にはまだまだ自分の感覚優位でいていただきたいものです。

困ってる人を見て見ぬふりするのがまずいだけで、

その人が困ってからでも遅くないのに、と思います。

 

困ってるかどうかもわからないうちに丁寧に先回りしてやってあげるのと、

困っている人を見て見ぬふりするのは、

どちらも、人が生きていく上で必要な「自立と信頼」の機会を奪っているという点では同じじゃないかと思わずにはいられません。

 

とはいえ、その塩梅をいつもみんながみんなうまく図れるかといったら難しいでしょうね。

私もたくさん失敗し続けていますから。何度もやり直ししながらでいいんだとも思います。

 

不登校新聞編「学校に行きたくない君へ」という本の各著名人のインタビューで、唯一樹木希林さんの言葉が沁みました。(私の中では唯一でごめんなさい)

 

夫・内田裕也さんについて「ああいう御しがたい存在は自分を映す鏡になる」

 

「若くても不自由なことはたくさんあると思います。それは自分のことだけでなく、他人だったり、ときには我が子だったりもします。

でも、その不自由さをなんとかしようとするんじゃなくて、不自由なまま、面白がっていく。それが大事なんじゃないかと思うんです。」

 

彼女の言葉にはどこをとっても実体験と重みがあるんです。

全文はこちらから。

https://futoko.publishers.fm/article/18906/

 

長期休みが来たら次は長編小説も読んでみようかな。

 

さとのたね

代表 岸本 梓